リンパ浮腫について、少し詳しく

前回から続いて、リンパ浮腫のお話です。

リンパ浮腫、特にガン術後のリンパ浮腫とはどういうものなのか、また、どの様な治療方法があるのかなどについて、少し詳しく触れています。

 

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫というのは、病気の名前です。浮腫が主な症状として起こります。

浮腫という症状は、リンパ浮腫以外でも起こります。
下肢静脈瘤や心性浮腫、肺機能の低下、腎臓機能の低下、感染症、自己免疫疾患などでも浮腫は発生します。
何日たってもむくみが引かない場合には、一度お医者様の診断を受けることをお勧めいたします。

汗かけていますか

ガン手術後の後遺症としてのリンパ浮腫

リンパ節の切除や、放射線治療などの手術を行った場合には、全ての患者様にリンパ浮腫が発症する可能性があります。

転移のリスク軽減や、最小限に体の負担を抑えるための術式としてリンパ節切除や放射線治療が選択されることがあります。
全てのガン術後の方に発症するわけではありません。
しかし、発症の可能性がありますので、上記のような術式の手術を受けられた方をすべて「0期」としています。発症前の段階です。発症はしていないけれど、日々セルフケアを行い、患肢の変化を観察していただきたい時期です。

0期のままで、リンパ浮腫を発症しない方も多くいらっしゃいます。発症すると「1期~3期」に症状によって分類されます。

リンパ浮腫は、急激に進行することは稀な病気です。セルフケアで変化を感じられた場合には、慌てずに主治医のお医者様に診ていただいて下さい。

がん術後でリンパ浮腫の発症が多く見られるのが、乳ガン子宮ガン前立腺ガン術後です。

乳ガン術後の場合には、脇の下のリンパ節切除術(または、センチネル)を行ったり、放射線治療を行うことで、手術をした片側の腕と上半身に起こる可能性があります。

前立腺ガンと子宮ガンでは、骨盤内のリンパ節切除術(または、センチネル)や放射線治療を行うことで、両下肢と腹・臀部に起こる可能性があります。

リンパ浮腫は、お医者様が診断して確定します。

リンパ浮腫の診断

診断は、主に問診と診察で判断されますが、リンパシンチグラフィーICG蛍光色素注入法で、リンパの流れの悪い所を評価する検査をすることもあります。
リンパの流れを知ることは、日々のリンパ浮腫のケアにとても役立ちますので重要な情報です。

リンパ浮腫の治療

治療方法は、外科的な治療方法保存療法とがあります。

外科的治療は、リンパ管静脈吻合術(LVA)という方法があります。専門医による手術です。

保存療法は、包帯などでの圧迫療法や運動療法、マッサージによって、リンパ液の排出を促します
マッサージは、リンパ液の流れに沿って、リンパの流れを良くさせると共に、体外に効率よく排出することを目的としたマッサージで、美容効果を目的とするリンパマッサージとは異なるものです。
弱まったリンパ管に負担を掛けないマッサージ方法で、専門のスキルを持った施術者(リンパドレナージセラピスト)が対応します。

ご自身で行えるよう、マッサージの方法や圧迫の方法などをお伝えして、日々のケアを習得いただいて、日々のケアでは賄いきれない部分をセラピストが一緒にお手伝いさせていただきます。

リンパドレナージセラピストは、民間資格で認定されて、看護師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の免許があることが前提条件となります。

リンパ浮腫のマッサージは、病院や専門のマッサージ店舗などで受けることができます。

リンパ浮腫ケアのセラピストとして

一次性リンパ浮腫の方、二次性リンパ浮腫の方、静脈瘤による下肢リンパ浮腫の方、さまざまな患者様がいらっしゃいます。二次性、特にガン治療の後の後遺症としてリンパ浮腫を発症される例は、決して珍しいことではありません。

病院から術後の注意として、お話を受ける時には、ガンという大変な大病をご経験された後でお気持ちもなかなか落ち着いていない状態でリンパ浮腫と聞いてもピンと来ないのではないかと想像いたします。

セルフケアを続けながら過ごされていて、ある日ふと気が付いたら発症していた、という話はよく伺います。

リンパ浮腫という病気は、日々耳にされる機会のない病名だと思います。
なかなか情報にたどり着くことができなかったり、リンパ浮腫について記憶がおぼろげだったり、時期によっては説明を受けていらっしゃらない方もお見えになります。

このような状況を目の当たりにしますと、リンパ浮腫という病気に限らず、どんな病気があって、どういうものなのかという情報を専門の人間が、分かりやすく、また情報に辿り着きやすく、情報を提供することが大切であると痛感いたします。

私自身も自分が病気になったときに、どういう対応をすることが良いのか、勉強していなければ途方に暮れていると思います。

今回のブログが、少しでも何かの、どなたかのお役に立つことができれば、幸いです。