体のバランスを整える
気が不足している場所の気を補ったり、気が充満している場所の気を削ったりすることで体のバランスを整える、これを補瀉(ほしゃ)と呼んでいます。
元気がない、弱っている状態を「虚」と、川の流れを妨げて水の流れを塞いでいたり余っている状態を「実」と表します。
虚(きょ)の状態には元気になるように気を補う「補法」を用い、実(じつ)の状態のときには、原因を取り除く「瀉方」(しゃほう)を行います。
現代社会では、「実の状態」が起こりやすい状況です。心身ともに滞って、溢れてしまっています。この状況をなんとか誤魔化して過ごしていると、本当の原因はマスキングされ、不調の上書きが起こります。
例えば、慢性の肩こりの方は自覚がないことが多いです。「美容室で、肩凝ってますね、ってよく言われるけれど、自分では肩こりとは思わないの。けれど頭痛持ちだわ」ということがありませんか。
つらすぎるとその痛みを感じないように脳が調節します。
しかし不具合は残っているので、そのひずみがどこかに表れます。この場合は頭痛です。
この例のように、感じなくなっているコリは筋肉の緊張状態が長く続きすぎて、その状態が“普通”になっている状態。
なぜそうなるのか原因は、一人ひとり違います。
仕事による姿勢かもしれないし、持って生まれた性格かもしれません。
まずは、今感じている不調を取り除きつつ影響が出ている全身を調整。本当の原因を探ります。