体重コントロールって必須なの?
リンパ浮腫の勉強会
表題のお話の前に
普段どうやって勉強しているのか
お尋ねいただいたので
少しお伝えしたいと思います
私が普段参加している勉強会は
主にセラピストが参加者の中心です
リンパ浮腫治療専門医と共に
浮腫改善の最新情報や
まだまだ研究発展途上のリンパシステムのこと
浮腫の将来の展望、手術や手技など
様々な角度で勉強できています
全国からセラピストさんが
時には弾性着衣メーカーさんや他分野の専門医などが
登壇に参加されることもあります
リンパ浮腫のことに関連することは
幅広く取り扱われるので、
健全なリンパシステムや脂肪細胞の働き
弾性着衣に関してなども議題になります
リンパ治療は発展途上中
リンパ浮腫治療では、通説が変わってきています
湯船に浸かっちゃダメ、なんてことを
伝え聞いてる方もいらっしゃるのではないでしょうか
けれど、今はそんなことはなくて
体調や浮腫の様子を見て
加減については、セラピストやドクターと
相談されている方も多いと思います
長風呂は避けた方が良いけれど
上がってから一時的な増加が引くなら
問題ない、とか
岩盤浴は避けようね、とか
それはリンパシステム自体の研究が
始まったばかりだということにも関連しています
分かったことが増えるにつれて
リンパ浮腫での注意事項も
少しずつ変化してきているのはこのためです
そんな中、近年良く言われるようになったのが
体重コントロールです
なんで、体重コントロールが大事なの?
体重コントロールが大切だとよく言われると思います
皆さんやはり苦労されている所ですよね
その理由について知っていると
その工夫の仕方の理解も深まると思います
体重コントロールが大切なのは、
リンパ浮腫は進行すると脂肪浮腫が混ざってきて
周径値が大きくなる例が多くなるからです
通常の肥満のメカニズムを解いてみると
これまで脂肪細胞は、細胞の数が決まっていて
1つの細胞に脂肪が溜め込まれ
大きくなるから太る、とされていました
しかし、脂肪細胞は大きくなって限界を迎えると
2つに増える事が分かりました
1個の細胞が2個になります
別れた後の細胞は、またその最大まで大きくなって
それ以上は分裂しません
脂肪吸引術も、ある、
リンパ浮腫の患肢では、(代謝が下がっているので)
溜まったものが排出されずに残りやすくなります
他の部位は脂肪細胞が小さくなっても
患肢では小さくなりにくく
結果、溜まる量が多くなり周径値が下がりにくくなります
最終的な周径値改善の解決方法が
脂肪吸引手術となるのは
減りにくくなっているから、なのだと言えます
脂肪吸引術も選択肢の一つではあります
しかし、脂肪吸引術は神経や筋肉を傷付けるリスクがあります
また、手術後は、強い圧の弾性着衣を着け続ける必要があります
手術後の写真を見ると
強圧な弾性着衣を着けるので
形は整い、美しいラインであることが多いです
運動を重視するアドバイスが多いのは
こういった背景があるから
蜂窩織炎のリスクが上がる
周径値が大きくなって、
関節が曲げにくくなったり
しびれを感じたり、と
QOLが下がってくることを避ける
こういった目的があり体重コントロールは大切なセルフケアなのです