目的は、リンパ液を作り流すこと
リンパ液が流れるリンパ循環は、老廃物を体の外に排出する大切な器官です。
リンパ液が皮膚の下に溜まったままにならないように健康なリンパ管にリンパ液を誘導することが、リンパドレナージの役目です。
リンパ液を「作る」マッサージ
リンパ液は、リンパ管と呼ばれる管に体液が取り込まれることで生まれますが、この”取り込まれる”というのがポイント。
リンパ管の入り口は、お肌と筋肉の間、体の表面近くにあり、起始リンパ管(毛細リンパ管)と呼ばれています。
起始リンパ管は、細胞同士がくっつかずに花びらのように重なっているだけ。
この入り口の細胞についている紐がマッサージによって引っ張られるとパカッと持ち上がり起始リンパ管の細胞同士の間に隙間ができて、隙間から体液がリンパ管の中に流れ込みリンパ液として排出の流れに乗ることができます。
その紐を引っ張ることがリンパ液を作ることになり、リンパ液が過剰に貯留することを防ぎます。
リンパ液を作るために、ゆっくり肌を動かすマッサージを行います。
リンパ液を「流す」
リンパ液は、たんぱく質、ウィルスや菌の死骸などを運んでいます。
老廃物に含まれるたんぱく質などがそのまま患部に貯留するとむくみは硬くなり、長く放置していると次のような症状を発症しやすくなります。
・皮膚が硬くなる
・関節の曲げ伸ばしに不自由が生じる
・皮膚感染症、リンパ漏などの合併症の発症
また、長期の医療介入が遅れた結果、痺れのような症状が現れる例もあります。
QOLを低下させる上記のような症状を防ぐためにドレナージが大切になります。
特徴的なマッサージ
医療リンパドレナージ(MLD)は、体液をリンパ管に取り込み、リンパの流れを活発にするマッサージです。
体の中で使い終わったさまざまなものを運び、下水管にたとえられる「リンパ管」。リンパ液の回収に掛かる時間は、半日~一日と言われています。血液は50秒ほどで体を一周するので、その流れがゆっくりであることが分かります。
この流れに合わせたゆっくりとしたリズムでマッサージを行うので、一般的に想像するリンパマッサージとは異なり、優しくゆっくりと穏やかです。