もっと知りたい リンパ浮腫

リンパ浮腫って何だろう?

どんな病気?

リンパ液の流れが、何かしらの理由で障害されることで、主に四肢(うで、あし)にリンパ液が溜まります。がんの部位によって浮腫が出る所は異なります。

原因は?

日本での主なものとして、
・がんなどの病気で外科手術でリンパ節を切った(センチネルリンパ節生検含む)或いは放射線治療をされた場合
・生まれつき
があります。

どんなケア(治療)をするの?

溜まったリンパ液が流れにくくなっているので、流れるようマッサージをしたり、包帯や特別なストッキング(スリーブ)で圧迫したりします。

ケア(治療)は、どんなことをするの?

病院のリンパ浮腫外来や自費治療個人院などでは、主にリンパドレナージ(リンパ液排液)と呼ばれるマッサージなどをし、必要な方には、圧迫用の弾性着衣や包帯の手配・販売を行っています(販売をされていないところもあります)
また、浮腫が悪化しないような生活面でのアドバイスを行ったり、ご自分で行えるセルフケア方法をお伝えしたりします。

リンパ浮腫かな、と思ったらどうすればいいの?

外科手術をされた方の場合、うで、あしなどにむくみが出たかな、重だるいな、などの違和感を感じたら、まずはがんの手術をした主治医に相談してみて下さい。再発の可能性もありますし、他の病気によって症状が出ていることも考えられます。

どうしたらリンパ浮腫だと分かるの?

リンパ浮腫の専門医による診察で診断されることもあります。
また、エコー診断、リンパシンチグラフィーやICG蛍光造影検査などによる確定診断の方法を採用している病院もあります。

どこで診察してくれるの?

リンパ浮腫を診る主な診療科は、血管外科、心臓血管外科、循環器外科、リンパ浮腫専門医のいる病院、形成外科、皮膚科などが主に診察をしていることが多いようです。
乳腺外科の先生が診察をしてくれる病院などもあります。

家の近くで施術してくれるところを探したい

病院をお探しなら、国立がん研究センターの「がん情報サービス」のホームページで検索ができます。
(参考:https://hospdb.ganjoho.jp/kyoten/kyotensearch

また、当院が参加している日本医療リンパドレナージ協会ホームページの「MLAJ会員所属施設」では、自費治療などでも治療を行える施設の検索が可能です。(参考:https://www.mlaj.jp/link/link

 

医療リンパマッサージ

医療リンパドレナージとは

浮腫の原因はいろいろあり全身性のものと局所性のものに分けられます。リンパ浮腫は局所性に(体のある一部に限局して)浮腫症状が現れる病気の1つです。

生まれつきの体質によりリンパ管の機能が低下していたり、がんの手術などでリンパ節を取ったりすると、リンパの液の流れが滞ります。その結果、腕、脚、腹部、陰部、頭部などにリンパ液が溜まり、浮腫(むくみ)が生じます。これがリンパ浮腫です。

リンパ浮腫の改善・健康的維持を目的として行われる治療が複合的理学療法と呼ばれ、
・圧迫療法
・圧迫下での関節運動療法
医療リンパドレナージ
・スキンケア
・個々の暮らし方に合わせた生活指導
の5つの柱を組み合わせた総合的な治療を指します。

医療リンパドレナージ
マニュアルリンパドレナージ(MLD・エムエルディー)と呼ばれる特徴的なマッサージは、体液をリンパ管に取り込みやすくし、リンパ浮腫合併症の予防やQOL(生活の質)の向上を目的とします。

リンパ液が回収されるまでに掛かる時間は、半日~1日程度。この流れに合わせたリズムでMLDを行うので、一般的に想像するリンパマッサージとは異なり、優しくゆっくりと穏やかですが、マッサージによりリンパ液の流れは10~20倍に増えるとされています。

 

リンパ液を作る「ドレナージ」

リンパドレナージの主な目的は、リンパ液を「作る」ことです。

リンパ液を「作る」とは?
リンパ液は、リンパ管と呼ばれる管に体液が取り込まれることで生まれますが、この”取り込まれる”というのがポイント。リンパ管の入り口は、お肌と筋肉の間、体の表面近くで、起始リンパ管と呼ばれています。リンパ管の入り口は、細胞同士がくっつかずに花びらのように重なっているだけです。

この細胞に紐がついていて、その紐が引っ張られるとパカッと持ち上がり起始リンパ管の細胞同士の間に隙間が出来ます。その隙間から体液がリンパ管の中に流れ込み、リンパの流れに乗って体外に排出されます。 リンパ液は、たんぱく質、ウィルスや菌の死骸などを運んでいます。 そのためリンパ液の流れが低下するとそういったものが体に滞りやすくなって硬さが出ます。

溜まった体液をリンパ管の中に取り込めるよう、入り口を潰さないように優しく皮ふを引っ張るようにマッサージしますので、一般的に想像するリンパマッサージとは異なり、優しくゆっくりと穏やかです。

また、皮ふの硬さや、手術痕で硬くなっている所には、特別な手技を使ってケアをします。

医療リンパマッサージ

当院のセラピストは、NPO法人 日本医療リンパドレナージ協会が認定する資格者です。リンパ浮腫治療の保存的療法の一つとして、国際リンパ学会においても標準的治療法を認められている『複合的理学療法』を習得しています。

リンパ液を「作る」リンパドレナージ
目的は、リンパ液を作り流すこと リンパ液が流れるリンパ循環は、老廃物を体の外に排出する大切な器官です。 リンパ液が皮膚の下に溜まったままにならないように健康なリンパ管にリンパ液を誘導することが、リンパドレナージの役目です。 リンパ液を...

 

対象となる症状

・がん術後によるリンパ浮腫
・先天的リンパ管不全よるリンパ浮腫
・廃用性浮腫
・静脈性疾患に伴う浮腫
・外傷によるリンパ浮腫
ほか

 

リンパドレナージで期待できる効果

・うで、あし、下腹部、フェムゾーンに溜まったリンパ液の流れの改善
・硬くなった皮ふの状態や乾燥の改善(浮腫の長期貯留や抗がん剤治療によるもの)
・浮腫貯留による痛みなどの緩和、改善
・合併症(炎症)回数の減少、改善
・ドレナージによる人の手によるマッサージでのリラックス効果
・手術痕の皮ふの状態や違和感の改善

リンパ浮腫の合併症
合併症と日ごろの備え リンパ浮腫で最も気を付けたい事は、合併症を起こさないことです。 そして、もし合併症(特に蜂窩織炎)を発症してしまった時には、すぐに診ていただけるようご自宅近くで血液検査のできる、かかりつけ医を持つことを...

 

 

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