脂肪も砂糖もビタミンも大切です

バランスよく。

過不足のない食事を

脂肪は摂りすぎると厄介ですが、とらなさ過ぎも良くありません。

体に働く各種ホルモンは脂肪が必要ですし、体温の維持や内臓の保護にも使われています。
砂糖(糖質)は、ただ寝て呼吸をするだけでもエネルギー源として働きます。
また、脳は糖分のみを栄養にして動いています。

食事はバランスよく

 

バランス良くは、適度に適当に

ビタミンも体の機能を正常に保つために必要で、不足することが多く問題視されていますが、摂り過ぎもビタミン過剰症という病気になります。

 

ビタミン過剰症

脂溶性ビタミンのビタミン剤(サプリメント)で起きやすいとされています。

ビタミンは脂溶性と水溶性の2種類に分かれます。
脂溶性ビタミンは、ビタミンA,D,E,K
水溶性ビタミンはそれ以外です。

水溶性ビタミンは、水に溶ける性質です。お小水によって排出されるので摂りすぎになる心配もほぼないでしょう。

脂溶性ビタミンは、脂肪に溶けるため肝臓や脂肪に蓄積されて過剰症になる可能性があります。

しかし、通常の食事ではビタミンの過剰症は起こりにくく、一時的に偏って大量に食べたとしても問題はありません

では、どんな時に起こる可能性があるかというとビタミン剤や偏食による長期摂取です。

 

ビタミンA
働き:目や皮膚・粘膜の形成に使われる
過剰症は、骨への異常、脳圧亢進症、筋肉痛、疲労などが分かっています。
動物の肝臓を大量に長期に食べて症状が出た例があります(肝油とか)。

摂取不足は夜盲症や粘膜障害などがありますが、通常の食事ではまず心配ないとされています。

ビタミンD
働き:骨を強くする
過剰症は、倦怠感、唾が出にくい、多尿、便秘、腎障害などです。

摂取不足は骨の軟化ですが、ビタミンDは日光に1日15分当たることで体内で産生されます。
コロナ禍では、外出を控えるため運動不足と日に当たらないことで骨がもろくなる危険性が注意喚起されていますね。

ビタミンE
働き:抗酸化作用(遺伝子や細胞膜を傷つける「活性酸素」の働きを抑える)
過剰摂取による悪影響ですが、今のところ見つかっていないそうです。
脂溶性ビタミンの中では比較的体内に蓄積されにくいので心配はなさそうです。

摂取不足になると神経や筋肉の障害が起きて、血流の低下による諸症状(肩こり、頭痛、冷え性など)が起きたり、抗酸化作用の働きの低下による、動脈硬化やシミしわの増加が見られたりします。

ビタミンK
働き:血液凝固(出血を止める)
こちらも過剰摂取による悪影響は見つかっていないため、上限量も設定されていません。
ただし、ワーファリンという血液をサラサラにする作用のあるお薬を飲んでいる方は、摂取に制限があります。

摂取不足は、易出血の原因となりますが、成人では腸内細菌によって産生されるため不足することも稀です。
新生児は腸内細菌が発達していないため欠乏症が起こることがあり、新生児メレナ(消化管出血)や特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)などが知られています。

 

脂溶性ビタミンに限らず、ビタミン剤の長期摂取により軽度の肝機能障害の例があります。

 

食べ物から摂ろう

食べ物から栄養を摂れば、同時に様々な栄養素を一緒に摂れます。実は、全ての栄養素は単体では働けないんです。

例えば、血液(赤血球)を作るプロセスでは、ビタミンB12や葉酸が、骨に「血液を作ってよー」と合図を送ります。

また、赤血球を作るきっかけになるエリスロポエチンというホルモンも必要です。エリスロポエチンはアミノ酸で出来ています。アミノ酸の元はたんぱく質です。

これらの「きっかけ」が働いて、ヘム鉄を主原料にして、たんぱく質や脂肪(脂質)、糖分(糖質)がくっついて血液ができます。

赤血球は120日程度のサイクルで死滅し再生されます。
だから、毎日の食事で栄養を摂っていないと貧血や易出血になりやすくなります。

血液には、赤血球だけでなく、白血球、血漿、血小板もあって、それぞれが必要とする原料があります。

 

このように血液だけでも必要とする栄養素がたくさんありますから、それぞれの栄養素を単体で摂取しようとしたら、もう大変な量のビタミン剤に!

肝臓が悲鳴を上げてしまいます。
お財布も大変なことになります。

病気があって摂取制限がある場合を除けば、食事(天然の食品)からの摂取が実は効率が良いんです。

バランスよく食事しましょう

 

内臓が疲れれば、むくみにつながりますから、胃腸に負担なく、バランスよく食事を摂ることが望ましいですよね。

こう書いてきて、自分のことを振り返りますと、自分に甘いなぁと反省。
疲れていると食事を疎かにしてしまうこともありますが、普段の生活を大切にしていきたいです。